流山の野鳥


野鳥ノート 21 カッコウ科

ジュウイチ  ホトトギス  ツツドリ  カッコウ

※ トケン(杜鵑)とはホトトギスのことで、杜鵑類とは、カッコウ科と言われているこの仲間の古い呼び方です(出典:山階鳥類研究所広報ブログ  2015年9月1日)


184 ジュウイチ ○

・十一 (英)Hodgson's Hawk Cuckoo (学)Hierococcyx hyperythrus 



185 ホトトギス ◎★

・杜鵑 (英)Lesser Cuckoo (学)Cuculus poliocephalus



187 ツツドリ ◎☆

・筒鳥 (英)Oriental Cuckoo (学)Cuculus optatus

・カッコウに似ているが少し小さい。 腹の横斑は、太くて荒い。
・翼の幅が狭く、尾羽も長いため、飛形は スマートに見える。
・夏鳥として渡来。 託卵相手は、亜高山帯のムシクイ類。 渡り期以外は森林に生息。
・8月末の 秋の渡り期前半には、都市公園などの桜の樹木に、まず♂成鳥が飛来し、次いで、後半に、♀成鳥、幼鳥などが飛来する。

・桜の葉についた毛虫を食するが、桜の葉が散ってしまうと、ツツドリも居なくなっている。  


2019年10月2日 柏の葉周辺
2019年10月2日 柏の葉周辺
2019年10月2日 柏の葉周辺
2019年10月2日 柏の葉周辺
2019年10月2日 柏の葉周辺
2019年10月2日 柏の葉周辺
・2014年8月29日 柏の葉公園
・2014年8月29日 柏の葉公園


188 カッコウ ◎☆

・郭公 (英)Eurasian Cuckoo (学)Cuculus canorus

・体はキジバト大だが、翼と尾が長く、胸の横縞は細くて華奢。 オオヨシキリなどに托卵する。 ツツドリより大きい。 夏鳥。 

※筑波山のケーブル乗り場では、いつでもカッコウの鳴き声が聞こえる。


・2013年5月25日 秋留台公園
・2013年5月25日 秋留台公園
・2015年5月29日 江戸川堤防
・2015年5月29日 江戸川堤防
・2017年5月29日 江戸川堤防
・2017年5月29日 江戸川堤防


※ 参考図書からの転載です。 丸付き数字は参考図書番号です。

 

識別

カッコウ

ツツドリ

ホトトギス



成鳥 

① L35cm

① L33cm

① L28cm


生息

 

① 林縁や草原など開けた環境を好む。

① 様々な種を托卵相手とする。

① 森林に生息

① 托卵相手は低山から亞高山のムシクイ類

① 平地から亞高山帯に棲息。

① 托卵相手はウグイス。


体の色

 

① 頭部から背、上尾筒は青灰色でツツドリ、ホトトギスより淡い。

 

① 頭部から背、上尾筒、胸は、カッコウより暗い青灰色。

 

① 頭部から背、上尾筒、胸は、暗青灰色で、カッコウやツツドリより濃い。


翼・尾

① 翼と尾は黒褐色。

① 初列小雨覆は白く、黒褐色の横斑がある。

④ 初列小雨覆(小翼羽の下に生えている羽)は白く、黒い横縞がある。 

① 翼と尾は黒褐色。 

① 初列小雨覆は白く無斑か、黒褐色の横斑があっても淡くて不明瞭。

④ 初列小雨覆は、白くて無斑。

① 翼と尾は黒褐色。

① 初列小雨覆いは灰色みがかかった白色で無斑。

 

④ 初列小雨覆は灰色みがかかる。


腹~体下面

 

① 腹からの体下面は白く、ツツドリやホトトギスより細い黒色横斑が11~13本ある。 

① 腹は白く、黒色横斑が9~11本あり、間隔はカッコウより広い

② 但し、個体によりこの横縞がカッコウなみに細い個体もいる。 

① 腹は白く横斑は7~9本あり、間隔はカッコウより広い。

⑧ 脇腹に灰黒色の横斑が11本くらいあるが、静止時は7本くらいしか見えない。

 

⑤ 胸の縞模様は、カッコウより太くツツドリより間隔が広い。


下尾筒

⑧ 黒い横斑があるが、細くて小さく、少なく見える。

② 下尾筒は白く、細く黒い横斑があるがまばら

 

① 淡いバフ色で、黒い横斑が目立つ。

⑤ 下尾筒に横斑があるのが一般的。

 

① 淡いバフ色で、横斑はほとんどない。

⑤ ほぼ無斑。

 


紅彩

① 黄色~橙黄色 

① 橙褐色から暗褐色でカッコウに比べ暗い色 

 

⑧ 紅彩は淡い橙色だが、瞳孔が大きいので黒く見える。 



① 黒褐色で基部は黄色みがある。 

① 黒褐色で下嘴基部は黄色みがある。

 ⑧ 黒褐色で基部は黄色みがある。 



識別

カッコウ

ツツドリ

ホトトギス


(赤色型)  体の色

① 本種に赤色型はないとされている。

⑤ ごく稀に赤色型が見られる

⑧ 赤色型の個体がいるといわれているが、日本にはいないと思われる 

① 赤色型があり、喉にも黒っぽい横斑がある。

⑤ 上面全体の地色は赤褐色で、黒横縞とのコントラストがハッキリしている。

 ① 赤色型があり、喉にも黒っぽい横斑がある。 


⑤ 頭にも明瞭な黒い横縞がある。

④ 頭と体上面は赤褐色で黒い横縞が目立つ

⑤ 頭の黒斑は不明瞭か無斑 


下尾筒

④ 腹の他、胸と下尾筒にも横斑がある。

 

⑤ 赤色型は、下尾筒にも横斑がある。


紅彩

① 紅彩は橙色だが、瞳孔が大きく眼は暗色に見える。



① 黒褐色下嘴基部は黄色みがある。



識別

カッコウ

ツツドリ

ホトトギス


幼鳥       体の色

① 褐色みがあり、上面や翼の羽縁は白く、後頭に白斑が出る。

⑤ 上面は褐色味で、後頭部に白斑が目立つ。 

① 全体に黒、白、淡い赤褐色の縞模様で、他種の赤色型に似ている。

① 頭部からの上面が黒灰色で、頭部や翼の羽先にところどころ白斑がある。

② 全身が黒褐色で、頭上から雨覆先端の羽縁は白い。

① 頭部からの上面が黒灰色で、頭部や翼の羽先にところどころ白斑がある。

 

⑤カッコウ、ツツドリと異なり、Jの頭~上面は一様に黒灰色で褐色味が目立たない。


腹~体下面

② 喉以下の体下面は白く、黒褐色の細かい横斑がある。

① 喉からの体下面は白く、黒褐色の縞模様

 

① 喉からの体下面は白く、黒褐色縞模様。

 


参考図書

① 『日本の野鳥590』 大西敏一/解説、真木弘造/写真、平凡社

② 『日本の野鳥650』 大西敏一、五百澤日丸/解説、真木弘造/写真、平凡社

④ 『日本の鳥550 山野の鳥』 五百沢日丸/解説、山形則男・吉野俊幸/写真、文一総合出版

⑤ 『比べて識別 野鳥図鑑670』 永井真人/著、茂田良光/監修、文一総合出版

⑧ 『山渓ハンディ図鑑7 日本の野鳥』 叶内拓哉/写真・解説、山と渓谷社